尻啖らえ孫市
発表年: | 1963〜1964年(司馬さんの年齢:40歳〜41歳) |
発表媒体: | 週間読売 |
本の出版社: | 講談社 |
主人公: | 雑賀孫市 |
雑賀衆の活躍を描いた作品
雑賀衆は、戦国時代に紀州の雑賀荘(現在の和歌山県和歌山市あたり)を本拠地として、鉄砲を主体とした傭兵集団として活躍しました。
雑賀衆の多くが浄土真宗の門徒だったため、織田信長と一向一揆が戦ったときは、一向一揆側につきました。
特に、石山合戦(今の大阪市)では、織田信長が戦死するかもしれないほどの激戦を展開しています。
この雑賀衆を率いた謎の人物に雑賀孫一重秀がいます。この重秀が、この小説の主人公である雑賀孫市となっています。
孫市の型破りな生き方は面白く、最後まで一気に読めます。
この小説は、「梟の城」や「風神の門」などの忍者物と同じように痛快な物語ですが、一方で歴史背景も書かれていますので、歴史もわかります。
個人的には、司馬遼太郎作品の入門として一番おすすめの作品です。