項羽と劉邦
発表年: | 1977〜1979年(司馬さんの年齢:54歳〜56歳) |
発表媒体: | 小説新潮 |
本の出版社: | 新潮社 |
主人公: | 劉邦、項羽 |
劉邦は、中国の漢帝国を創設した初代皇帝です。別名:高祖(こうそ)と呼ばれています。
劉邦自身には、戦いに優れているや智謀に優れているということはなくて、
戦いには弱く智謀も優れていませんでした。
ひとつだけ優れていたものは、戦いに優れている人や智謀に優れている人を使いこす人望があったことです。
不思議な魅力をもったいた人物だったのでしょうか?
小説を読む限り、品のない親父のような振る舞いをしていますが、
どこにそれだけの人望があったのか不思議です。
一方、項羽は、体格がよく、膂力が強く、戦いにはとても強かったです。
中国の長い歴史の中でも、戦いの強さにおいては、上位をあらそう人物でしょう。
そんな項羽と劉邦ですが、はじめは、共同で中国最初の統一国家である秦帝国を倒します。
その後に、2人の覇権争いが始まります。
小説では、秦帝国の後半から話が始まり、項羽と劉邦の戦いの最後までを書いています。
司馬遼太郎の小説でも、異色ともいえる中国が舞台の作品ですが、
持ち味のわかりやすい文です。又、司馬さんのならではの味がよく出ている作品です。
読みやすく、おすすめの小説です。